僕と君の間にあるもので世界をかえることについて

アニメ『輪るピングドラム』を巡る考察的な何か(突貫工事のち10年放置)

04:イマージーン!

Ⅰ きっと何者にもなれないお前たちに告げること

生存―戦略―!という謎の叫びと共に、死んだはずの陽毬が起き上がって私たち(冠葉や晶馬含め)を引きずり込んだ不思議空間クリスタル・ワールドは、もうひとつの<氷の世界>です。 あそこに物語の2つめの鍵『信じること』があります。 イマージーン! きっと…

Ⅱ 灰色の水曜日の幸福論

「何百万の星のどれかに咲いているたった一輪の星をながめるだけでしあわせだ」とサン・テクジュペリの星の王子さまは言っている。だが「見えないものを見る」という哲学が、「見えるものを見ない」ことによって幸福論の緒口をつなごうとしているのだとしたら…

Ⅲ 世界の果てまで連れてって

※寺山修司の幸福論について。まとめ中世界の果て。イクニ監督が行き詰まった時、限界、絶望のことをそう呼ぶのだそうです。これ言葉は寺山修司の言う<世界の涯>と同じものと考えていいと思います。 (涯:「はて」、水際・岸といった語源から転じて「果て…