僕と君の間にあるもので世界をかえることについて

アニメ『輪るピングドラム』を巡る考察的な何か(突貫工事のち10年放置)

03:愛の話をしよう

Ⅰ HOMEのかたち ―ディストピアとユートピア

『輪るピングドラム』には様々な親と子の形、家庭が描かれますが、いわゆる"一般的に理想"だと思われる姿はありません。高倉家は穏やかで優しく芯の強い、我が子たちを愛する両親が三兄妹と温かな日々をおくっている風に見えましたが、両親は多くの人々を理…

Ⅱ 自己犠牲のヤな感じ―カムパネルラの限界

アニメのモチーフとなった『銀河鉄道の夜』を書いた宮沢賢治は、ある信念のために生きて死んだ人でした。それは 世界ぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない (農民芸術概論/宮沢賢治) ということです。普通に考えれば絶対無理だろー!って。…

Ⅲ 輪るピングドラムの贈与論

(『自己犠牲のヤなかんじ カムパネルラの限界』からの続き) <贈与>を<贈り物>にして考えてみましょう、プレゼントです。 あなたが誰かから<贈り物>を貰ったとします。そのお返しをしなくてはならないと考えるでしょう。 そして返すものは同等?いえ…